2009-01-01から1年間の記事一覧

ユリイカ 詩と批評 9月臨時増刊号

ずいぶんと久しぶりに「ユリイカ 詩と批評」を買った。考えてみれば去年南方熊楠と中島らもを買って以来だ。 総特集は「昆虫主義」。買わないわけがない。昆虫文化愛好家、いわば昆虫主義者の血が騒ぐというもんである。 「ユリイカ 詩と批評」9月臨時増刊…

ヨツモンカメムシ

北方系の大型カメムシのひとつにヨツモンカメムシUrochela quadrinotataがいる。 「日本原色カメムシ図鑑」に掲載されていないかわいそうなカメムシで、北海道では普通種である。 クヌギカメムシ科(Urostilidae)というグループに属しており、この科には他に…

オオスズメバチ

秋の風物詩、オオスズメバチである。 宅地化が進む中で、比較的山地寄りの生息地を持つオオスズメバチは、キイロスズメバチやモンスズメバチなどより、人目に触れ憎いスズメバチとなって久しいが、スズメバチ属Vespa世界最大種としての威厳は失わない。 そも…

ツノアオカメムシ

今日は北海道にも綺麗なカメムシがいるぜ、というおはなし。 ツノアオカメムシPentatoma japonica (Distant)である。 北海道特産というわけではないが、こちらでは平地にまで生息していて見つけやすい。例えば、円山公園などにも普通である。変わったところ…

世界最大のセミ

ご存知の方も多かろうと思うけれど、今宵は世界最大のセミをご覧にいれよう。 その名もMegapomponia imperatoria。テイオウゼミ(帝王蝉)である。 東南アジアに分布し、開長18センチにもなる。 でかければいいというものでもないが、やはり実際に手にする…

ユカタンビワハゴロモ

ユカタンビワハゴロモという昆虫がいる。海外の奇虫珍虫の類では知名度の高い部類に入るので、名前を聞いたことのある人も多いだろう。そんなややこしい名前は知らぬ、という方でも、実物を見ればどこかで見ているかもしれない。 ただユカタンビワハゴロモの…

欧州土産(ありぱぱさん8月第2便)

盟友ありぱぱ氏のお母様が、ヨーロッパをご遊行の折、採集されたカメムシたちを頂戴した。 去年に続いて今年も頂いてしまい、なんと感謝してよいか。 下二枚が欧州産。最上段はありぱぱさんからの埼玉産カメムシ。尚、中段がウィーンで、下段がベルリンであ…

北海道のサシガメ

カメムシ科のクチブトカメムシ亜科と並んで、陸生カメムシで大型の捕食性カメムシのサシガメ科Reduviidaeであるが、ほとんどが南方起源の昆虫群で、北海道には種数が非常に限られる。 本日、念願のハネナシサシガメを採集することができたので、北海道のサシ…

ミヤコキンカメムシ

たまには綺麗どころをご紹介。 キンカメムシ科は美麗種が多く、例えば甲虫屋さんなども結構集めていたりするカメムシのグループである。日本では、アカスジキンカメムシやニシキキンカメムシなどが、その体色の綺麗なことによって有名である。 今回登場のミ…

カメムシってなんなのさ

小生をはてなに導いたkiki師匠から、「虫のトリビアをやれ」と命令が下った。 そもそもトリビアtriviaとは、文法・修辞・論理の三学問のことで・・・という誰にも突っ込んでもらえそうにないボケはすぐに撤回することにして、「つまらないもの」「平凡なこと…

2009年8月ありぱぱ氏

・はじめに 先日、埼玉県のありぱぱ氏から、カメムシが送られてきた。ありぱぱ氏は、以前から標本の交換などをしている虫仲間である。 いつもありがたく頂戴し、標本にしているが、今回からは頂いた標本について、記録しておくことにした。単純なリストに過…

アカスジカメムシ

別段珍しいカメムシというわけではないが、その色模様がお気に入りのアカスジカメムシGraphosoma rubrolineatum (Westwood)である。北海道特産種というわけではないが、コンサドーレ札幌の応援に使えそうなカメムシである。 超有名カメムシのアカスジキンカ…

スケッチブック6

今更なのだが、出たんである(6月に・・・)。 小箱とたん『スケッチブック6』マッグガーデン 小生はかつて美術部のブチョーさんだったことがあるが、この「(主に)4コマ漫画」が美術部を舞台としていると言うこともあり、いろいろ懐かしく楽しい。なに…

クギヌキハサミムシ

ハサミムシというのも面白い昆虫である。 写真はクギヌキハサミムシForficula scudderiという。オスである。オスのハサミにはクワガタムシの大顎のように個体変異があり、もっと短いハサミのものもいる。 このクギヌキハサミムシは、大型のハサミムシで、発…

ジグモ

たまには昆虫以外のお話をしよう。 と言って書くのが蜘蛛の話題なのだから、いい加減にしろと言われるかもしれない。もちろんいい加減になんかしないのである。 蜘蛛というグループも、なかなかの嫌われ者であるが、他の嫌われ者たちと同様に、感情的で理屈…

テンサイカスミカメ

カメムシにも天才がいる。 その名もずばりテンサイカスミカメOrthotylus (Melanotrichus) flavosparsus (C. R. Sahlberg, 1841)。 世には様々の才能があって、その能力の発揮するところは人間に限らない。 昆虫にも天才はいるのだ。 つまらない冗談はもうよ…

ミズギワカメムシ類

カメムシにはメジャーになれないグループがたくさんある。 小さすぎたり、採集が難しかったり、地味すぎたり、そしてなにより情報が少なすぎたりといった理由で、普段省みられないグループである。 今回のミズギワカメムシ科(Saldidae)も、そんなマイナーグ…

マダラガガンボ

ただでさえカメムシ好きということで変な目で見られるだろうに、さらにこんなことを言うと構ってもらえなくなる可能性があるが、もともとあんまり相手にしてもらえないので、気にせず言うのである。 カメムシと違い、別段勉強しているというわけでも、標本を…

ハラビロマキバサシガメ

カメムシが好きだなどと公言していると、様々な質問を受けることがある。 カメムシって何を食べてるんですか? というのも典型的な質問の一つ。 都会に暮らすものにとって、カメムシとは秋になると家に侵入してくる(あるいは洗濯物に紛れ込む)厄介者のイメ…

ニセクロツヤチビカスミカメ

2009年7月30日と翌々日の8月1日、円山動物園の近くにあるオニグルミの木から、黒く小さなカメムシを数個体得た。 体長わずかに3ミリほど。形状からカスミカメムシの仲間であることは明白であった。 それがイラストのニセクロツヤチビカスミカメSej…

ご挨拶

ここには埒もない「虫」の話を、気が向いた時に書いていこうと思う。 知っていても何の得にもならないし、誰かに感心してもらえるということもほとんどない。そんな話だ。 書いているほうも暇つぶしで書いているものだから、読む人にもそんなおおらかな姿勢…