オオスズメバチ
秋の風物詩、オオスズメバチである。
宅地化が進む中で、比較的山地寄りの生息地を持つオオスズメバチは、キイロスズメバチやモンスズメバチなどより、人目に触れ憎いスズメバチとなって久しいが、スズメバチ属Vespa世界最大種としての威厳は失わない。
そもそもスズメバチは日本に7種が生息しており、その内訳は以下の通りだ(亜種は除く)。
- オオスズメバチ Vespa mandarinia japonica Radoszkowski, 1857
- ヒメスズメバチ V. ducalis pulchra Buysson, 1905
- コガタスズメバチ V. analis insularis Dalla Torre, 1894
- ツマグロスズメバチ V. affinis affinis (Linnaeus, 1764)
- モンスズメバチ V. crabro flavofasciata Cameron, 1903
- チャイロスズメバチ V. dybowskii Andre, 1884
- キイロスズメバチ V. simillima xanthoptera Cameron, 1903
中でもオオスズメバチは、スズメバチの中でも生態的な地位が最も高く、つまりは食物連鎖の最上位を占める最強のハチであるが、先述のように、環境が現在は味方していない状況である。
信州の名物珍味クロスズメバチなどは、より小型で属が違う。
小生だってスズメバチは怖い。
しかし、一方で言い知れぬ魅力を彼らに感じるのである。爬虫類マニア、それも特に蛇マニアが、最終的に毒蛇に行き着くのと似たようなものかもしれない。
残念なのは、巣ごと頂くなどという技術も度胸も無いために、女王や雄蜂を標本にできないことである。
しばらく引きこもっておりました。ご心配をかけた方々にお詫び申し上げます。