ヨツモンカメムシ

 北方系の大型カメムシのひとつにヨツモンカメムシUrochela quadrinotataがいる。
 「日本原色カメムシ図鑑」に掲載されていないかわいそうなカメムシで、北海道では普通種である。
 クヌギカメムシ科(Urostilidae)というグループに属しており、この科には他に4種が日本から記録されている。



 クヌギカメムシ科には2亜科が知られており、一方のSaileriolinaeは小型種で形態的にもかなり異なるグループらしい。中国や東南アジアに3属が知られていると言うが詳細は不明である。
 日本産のすべてのクヌギカメムシが属するクヌギカメムシ亜科Urostilinaeは、比較的大型で、アジアの南部から東部にかけて分布し、4属約80種以上が知られている。
 近年まとまった研究書が発刊されたが、小生ごときものに手の届く値段ではなかった。



 日本では当初、北大の松村先生が札幌産の標本を元にUrochela jozankeana(定山渓のクヌギカメムシ)として記載したが、上記学名のシノニムとなった。日本のほかに中国の北部及び北東部、朝鮮半島、ロシアの極東部とシベリア東部にも分布している。


 若虫は独特の色模様で、なかなか魅力的である。