ご挨拶

 ここには埒もない「虫」の話を、気が向いた時に書いていこうと思う。
 知っていても何の得にもならないし、誰かに感心してもらえるということもほとんどない。そんな話だ。
 書いているほうも暇つぶしで書いているものだから、読む人にもそんなおおらかな姿勢でいてもらいたい。
 小生は「専門家」ではない。だから遠慮なく極論や誤謬を人目に晒すことが出来る。
 なんという無責任なことを言うのか、と思われるかもしれないが、事実なので仕方がない。間違ったことを後から書き直したりすることもあるかと思うが、ご容赦願う次第である。


 あえて漠然とした「虫」という言葉を使った。
 足がたくさんあったりなかったり、カサコソ動いたりニョロニョロしていたり、飛んだり這ったり跳びあがったり、感覚的に言って「虫」とされる生物は何でも好きである。
 なかでも昆虫類はおはなしの主要なテーマになるはずである。さらにその昆虫類のなかでも半翅目カメムシの仲間)は、小生が最も愛し且僭越ながら「勉強のようなことをしているといえるかもしれないグループ」なので、話題の大半を占めてくる可能性がある。
 「なに、あの臭い虫か」と思われた方もいるであろう。もっと露骨にひいた人だっているはずだ。それはそれで結構。慣れっこである。もしお暇なら、「あなたの知らない世界」を見る感覚でちょっとの間お付き合いいただけたら幸いである。


 唐突かもしれないが、小生は北海道札幌市に住んでいる。生き物のことを書くということで、これは非常に重要な情報で、あえてここに付言しておく。おはなしの内容は、主にこの地方を舞台として書かれることになるだろう。


 おはなしの他に、ここには写真やイラストも登場する(はずである)。
 写真はおおむねRicohCaplio GX8という古いデジカメで撮ったものである。はっきりいって人に見せるほど結構な出来ではない。Caplioシリーズはズーム性能のよい素晴らしいデジタルカメラで、写真がしょぼいのは全面的に撮った人間のほうの責任である。
 イラストも下手の横好きで書いたもので、けして科学的な資料になるものではない。出来るだけ嘘は描かないように心がけているが、いいかげんに描いちゃったりすることがないとは断言できかねる。


 最後に、記事のほとんどは日記形式で書かれないと予想される。
 すべてにおいて虫捕りが優先され、取った虫の整理や正体解明がその次。さらに写真の撮影やイラストを描いたりやらがあって、はじめておはなしという優先順位である。数ヶ月前(もしかしたら数年前)のトピックスが発作的に出てきたりもするであろう。
 すべての話題、写真、イラストには採集/観察日を添えるようにするが、そんなわけなので、どれをどの順番で読んでも、読まなくてもかまわない感じであると、ご理解いただければよいかと思う。


 まずはご挨拶まで。
                                                              鬼灯庵亭主蟲吉